あたしは、思いっきり抱きついた。


「新花!?どうしたんだよ!!」


悲しくて、寂しい。


「大ちゃん」


分かっているのに確かめてしまう。


「そうだ、俺だ。」


優しい声に胸が震えた。


「大ちゃん、大ちゃん!!」


大ちゃんに抱きついたまま泣きじゃくる。


あたしも、焦っている…。


学校では、“大ちゃん”なんて呼ばないのに。


ずっと、泣き続けていると足音が近づいてくるのに気付いた。


誰だろう…なんて気にしてられず、泣きっぱなし。


すると、足音が近くで止まった。