わかってるくせに聞いてくるズルい君。

わかってるなら聞かないで。
私には『行ってらっしゃい』しか言えないんだから。

貴方の広くて大きなその背中が、小さくなるまで見つめるしか出来ないんだから。

貴方から離れたくなくて、すがり付いていたくて…。


私に残された選択肢は、カーテンで薄暗くなった部屋でただただ小さく震えて貴方の帰りを待つだけなの。