部屋にこもってたら
ユウくんが来た。
「お前 デートじゃなかったのか？」
朝出る時に会って
「これからデートなんだ」
と自慢してたから。
「そうなんだけど
振られちゃったかも」
「なんで？」
今日のことを説明すると
「ナンパで知り合ったんだから
そんなもんだよ 割り切らないと」
「はぁ〜」
「まぁ 傷物になってないんだろう
それだけ 救いじゃないか！」
ユウくんはあたしたちが
関係を持ったのを知らないから
そんな言い方をした。
知ったら怒るだろうな・・・
でもここは隠そう
もう会わないんだったら隠そう
だから ユウくんに話しを合わせた。
まぁ あたしも明希子なのにはなだと
嘘ついたままだったし
人のことばかり悪くは言えないかもね・・・。
もう タケのことは 忘れよう。
かれんや望にも
「彼氏できたと思ったら
連絡不通になっちゃった」
と伝えた。
「はやっ！」
「何があったの？」
「本気だと思ってたのは自分だけだったってこと」
「そうなの？」
「だからもうしばらくは恋はいいかな」
「そっか」
でも突然連絡なしってことの
･･････原因が知りたい･･････
ただそれだけだ！
もう恋はいいなんて
友人の前では強がったが
タケのことはまだ忘れられそうにもない
もう一度ＴＥＬをかけるが通じない。
あたしは拒否られてるの？
そこまで嫌われているの？
もう二度とＴＥＬもしない と 誓った。
あれからひと月が過ぎた。
もう12月だ。
もうタケの顔も忘れてきたころ
自分の体の異変を感じた。
（あれ・・・？あたし
先月の終わり 生理が来なかったな・・・）
まさか？
妊娠？
ないよね・・・まさかね。
たったあの時一回きりだし。
どうしたらいい？
誰に言えばいい？
相談したらいい？
母？・・・
もし妊娠してなかったら怒られ損になるし。
友達？・・・この恋を内緒にしてたんだから
今更自分が困った時だけ
相談なんて虫がよすぎるよね・・・。
もう一度タケにTELをかけてみた
「この電話は現在使われておりません」
というアナウンス
この前までは電波の届かない〜
と言ってたのに
もう携帯は使われてないと言うこと。
解約して番号まで変えてしまったのか？
もう連絡の手段が無くなってしまった。
完璧もうタケとは駄目だ。
とりあえず病院へ一人で行こう
話はそれからだ！！
「母さん 今日風邪気味だから
学校休んで病院行くから」
「大丈夫？母さん今日用事があるから
1人で行ける？」
「小さい子じゃないんだから大丈夫よ！」
「じゃー これ保険書ね」
母がいない日で良かった
もし いたら着いてくるかも・・・
それはそれでまた何か考えないといけなくなってた
けれど不幸中の幸いだった。
もちろん産まれて
初めて行く産婦人科。
あたしは総合病院の中にある産婦人科を選んだ。
個人病院だったら入るところを
誰かに見られるかもしれないし
周りは妊婦さんだらけ。
少し周りの視線が痛い
コソコソとこっちを見て話してる。
未成年なのはまたわかるから
「若いのに」と思われてるのだろう。
尿を検査に出して順番を待つ。
「大下さん どうぞ」
「お願いします」
「おめでたですよ」
そこからの先生の話は
あまり覚えてない。
あたしが妊娠？母になるの？
「どう見てもあなた 若いわよね
高校生かしら？」
「・・・はい・・・」
「相手の人は高校生？」
「いえ！」
「じゃー 結婚とか出来るわよね」
「・・・できません」
「どういうこと？」
状況を先生だからと素直に話したのに
「これだから今の若い子は・・・」
と お説教をされてしまった。
「一度相手と相談してまた来なさい」
相手と相談なんてできないよ！
だって遊べれたんだから・・・。
「中絶します」
「そう簡単に言わないで！！
その考え方が 私たちには分からないのよ！
やることはやっておいて
出来たらおろせばいい！と言う考え方？
あなたのような若い子は中絶したら
もう子供が出来なくなるリスクも高いのよ
そこらを考えて親御さんと次回いらっしゃい」
先生はうちの母の様な機関銃のような人。
どうしよう
産まれてくるのは７月だって・・・。
