あっと言う間に2時間が過ぎて
「延長する?」
って話も出たが
時間がもう遅いので
お開きにしよう!と言うことになった。
みんな『また会おうね』と
言う約束なんてしない。
やっぱりそーか
ナンパってそんなもんか・・・?
意気投合しなかったと言うことか。
別れ際タケさんがそっとあたしの手を握って来た
誰にも見られないようにそっと(ーー;)
そして一枚の紙切れを渡された
とにかくあたしは それを自分のポッケに入れた
「あー楽しかったねぇー!
たまにはいいね」
「そうそう二度と会わないんだから
嘘も方便 名前まで嘘ついてさ・・・」
「ホントホント!!」
すると かれんが
「ちょっと明希子!
タケさんと仲良くしてたでしょ?
あたしのお気に入りって言ったのに・・・」
と怒った。
「仲良くって
普通に話しただけじゃん!
他の人たちとも一緒じゃん」
「でも 雰囲気が・・・怪しい」
「もーーいいじゃん!
終わったことでしょ」
と望が止めに入ってくれた。
「ただいま〜」
家に帰った。
待っていたのは母の爆弾だった。
「何時だと思ってるの!!
今大事な時期でしょう!!
少しは気を引き締めなさい・・・」
延々と続く
果てしなく続く。
そりゃー
高3の娘が帰宅する時間じゃないよね
23時って!
そこは反省する。
何よりも救いなのは
今日はお父さんが出張で居ないこと。
2人に怒鳴られるところ
だった。
やっと解放され部屋へ帰る。
「はぁ〜」出るのはため息
今から風呂・・・入って
髪乾かしてと思うと寝る時間がなくなる。
もう朝風呂にしよう!
そういえば
別れ際にタケさんから貰った紙切れを思い出した。
ポッケから出してみると そこには
………………………………
はなちゃんへ
090−××××−××××
必ずTELしてね
タケ
………………………………
と書いてあった。
かけてみるべき?
実らないユウくんへの恋より
現実をみるべき?
でも ナンパだから
遊ばれるかもしれない・・・。、
あたしの中で天使と悪魔が
【go!】と【doing!】と言ってる。
結局かけてしまった。
これがあたしの人生を狂わした出発点だ・・・。
あたし もし戻ることが出来るなら
この日 この時点にもどりたいのだ・・・。
「もしもし」
「もし・・・あっ!
え?はなちゃん?」
「はい・・・かけちゃいました」
「よかったぁ〜
待ってたんだけどかからなかったから
もう無理だー って諦めてたんだ」
「帰って母に爆弾落とされて
延々説教を受けてたから・・・」
「そーなんだ・・・」
「うるさいだ うちの親!
最悪ですよ」
「いやいや それだけ大事にされてんだよ」
今度二人で会う約束をした。
でも
二人で会うことはみんなには内緒にしてもらった。
かれんの手前 言いにくいし・・・ 。
会う日までTELやメールを送りあった。
この久々ドキドキする気持ちを
誰かに聞いてほしい。
でも望やかれんには話せない 。
あっ!いい人がいた!
「ユウくん〜聞いてくれる?」
とお隣りのユウくんの家に
訪ねて行った。
「なんだよ アコ」
(ユウくんはあたしの事を昔からアコと呼ぶ)
「あたしさ〜 彼が出来るかも!」
「ほーぉ 彼氏か?良かったじゃん」
「うん!その人ね ユウくんと同い年なんだよ
あたしもついに大人の恋するのよ」
「大人の恋ね
せいぜい気をつけろよ」
「何を・・・?」
「後でユウくん・・・
聞いて〜とか 遊ばれちゃったのー
ってくることないようにな」
「もーーー 遊ばれるとか
今からそんな事言わないでよ」
「はいはい
せいぜい頑張って」