私は雨が好きだ ザーザーと地に打ち付けられる水滴 教室から空を見上げたが、どんよりと雲がかかり、腫れる気配など、ない お昼に屋上には行けないなーなんて、のんきに考えて、黒板に目を移した ずいぶんと進んでて、慌ててノートにペンを走らせる 「わりィ、消しゴム貸して」 「……木野くん、また消しゴム忘れたの?」 前の席の木野春樹は、悪びれる様子もなく消しゴムを奪う