目が覚める。


わたしの手を握りしめて

うたた寝をしている先生。



こんな穏やかな時間があったこと
を忘れていた。



少しずつすれ違っていた心を
つなぎとめてくれるために赤ちゃん
はわたしを選んでくれたのかもしれない。



今は、もういないけど・・・。



たしかに、わたしの中で
生きていてくれた。



失った事を悔やんでも
悔やんでも、

悲しんでも悲しんでも

もうどこにもいない。



考えると、溢れ出す
涙を止めれなくなる。



先生に気づかれないように
声を殺して泣いた。