希愛!!


屋上まで、いっきに駆けあがる。



休日の学園はシーンと静まりかえ
っている。



焦る気持ちを後押しするように
俺の足音が追いかけてくる。





屋上の重たいドアを開けた。





 「希愛!!」



目の前に広がる光景は
あまりにも悲しすぎた。



フェンスの向こう側で
泣くわけでも
喚くわけでもなく


生きる気力を失くした
希愛が立っていた。



その目は、悲しい
死んだ目をしている。