かすかにもれた声。


俺を呼んでくれている。



 「希愛・・・気分はどうだ。
どこも痛くないか?」




俺は、希愛の口元に耳を
近付ける。




 「先生、わたし・・・赤ちゃんは!!
先生!!」



希愛がお腹に手を置きながら
必死に訴える。



希愛、どう言ってあげたら、
少しでも君を悲しませずに
つたえられるだろうか・・・。