夜の病院に響きわたる、
俺の足音。
「希愛!!」
病室の扉が全開する。
目の前に、青白い顔の
希愛が眠っている。
「司君、どうして
こんなことに。」
お義父さんが目を真っ赤にして
俺に詰め寄る。
「すいません。」
その瞬間俺は病室の壁まで飛んでいた。
「お前飲んでるのか!!!」
親父に殴られたのは初めてかもしれない。
「すまない。」
口角が切れ血が流れる。
「希愛ちゃんがどんだけ
不安だったか。
お前は・・・おまえは・・・」
親父が俺の胸ぐらをつかむ。
「もうよせ。 希愛が起きてしまう。」
親父の手を止めてくれたのは、
お義父さんだった。
本当は、誰よりも1番に殴りたい
だろうにグッと堪えている。