足音が近づく。
先生が、カギを開ける。
灯りがついてることで
わたしがいるのは
きっと気付いてる。
どんな顔するかな。
一番に抱きしめてくれるかなぁ?
淡い期待は
すぐに壊れた。
玄関には女の人に
連れられて
ベロンベロンに
酔っぱらってる
先生が立っていた。
誰なの?
その女の人?
先生?
「あら、先客があるみたい。
わたし帰るわ。
この人かなり酔ってるから
あとよろしく。」
女の人は先生をわたしに
もたれかけると
さっさと帰って行った。
「先生?」
「なんだよ。 」
「大切な話しがあったんだけど
またにするね。」
「はぁ~。 大切な話し。
そうそう俺もあったんだ。
希愛別れよう。」
「何言ってるの?先生!!」
「だから、別れよう。」
先生が立ち上がり冷蔵庫
から、ミネラルウォーター
を取り出し、2リットル
のペットボトルのまま
飲みだした。
俺様で強引な先生だけど
こんなのはじめて。
「本気で言ってるの?」
「冗談でこんなこと言うかよ。」
「先生のバカ!!」
目の前にあった、TVのリモコンを
先生に投げつけ、先生の部屋を
飛び出した。
こんなのってひどいよ。
先生が何考えてるかわからない。
暗い夜道。
追いかけてもきても
くれないんだね・・・