「希愛。」

久しぶりに直接聞く名前。


いつも電話越しに呼んでは
くれるけど、直接だと
どうしてこうもうれしいんだろう。



 「先生。」




 「希愛、どっか具合悪いのか?」



 「どうしてですか?」



 「さっきお義母さんが作ってくれた
お弁当ゴミ箱に捨ててただろう。」




 「見てたんだ。 夏バテかな。
残暑厳しいし。 それにダイエットに
なるでしょう。」



 「希愛、本当にどこも何とも
ないんだな。
お義母さんも心配してたから。」



 「大丈夫だよ。夏バテぐらい
すぐ治るって。」



 「本当だな。」



 「先生ひつこい!!
こんな所他の子に見られたら
大変。 早く行ってください。」



わたしは先生を追い返した。


これ以上先生といたら
わたし、頼ってしまうから・・・