「海鈴、あなたの名前の由来…きいて頂戴?今、話さないといけない気がするの。お父さんはきっと知らないだろうから……」
聞きたくない……
でも………
聞かないと後悔する気がする………
私は小さく頷いた。
「海の鈴って書いてカイリ。私ね、海が好きだったの。凄く………もう、10年は行ってない、けど私が海を好きな理由が波の音が心地よくて、鈴みたいだなって、思ったから。だから………だから、あなたには、海みたいに広い心を持ってて、人に安心感を与えられる、鈴の音みたいな人に……なってほしいの。……聞いてくれてありがとう、海鈴。」
お母さんは微笑んで、
「あら、もうこんな時間!海鈴明日も学校でしょ?帰らなきゃね!」
「え…?あ、うん。」