「おはよう、姫!!」


いつからか、あたしはそう呼ばれるようになっていた。


「え、おはよう。」


挨拶をかえすと、
男は歓声をあげて去ってゆく。


意味が分からない。

挨拶をかえすなんて、当たり前のことなのに…


「唯、おはよー!!!」


「おは…リコ、聞いてよー!!」


この子は、大塚リコ
あたしの大親友だ。

優しくて、
少し大人っぽい女の子。


「どしたー、唯。」


そう聞いてくれたリコに
さっきあったことを伝えた。


「……またか。」


「うん…。意味分かんないよ、何が姫なんだろ?」


「ほんと、唯は鈍感だよね。」


「え、何が?」


「さぁねー。」


分かっていそうなのに、
教えてくれないリコ。

姫と呼んでくるみんな。


全然理解が出来ないあたしは、
おかしいのかな?


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