『ピ−−−−ドンッッ』


「…痛っ お母…さん…どうした…の？」

…
「おかあ…さん？、どうしたの？お姉ちゃんっ…お父さんっ…ね…え、何か言ってよ…何か言ってよっっ！」

…私の目に映っているのは、真っ赤に染まった家族の姿と、バラバラに砕け散ったガラスのかけら。私はあまりに突然の出来事に、今自分が置かれている状況を理解できなかった…。今、目に映るこの、あまりに無惨な光景を事実だと認めたくなかった…。今すぐ「嘘だよ」と言って欲しかった。

…でも、事実なのだ。この余りに非現実的な光景は“嘘“ではなく“現実“なのだ…


でも私はその現実を受け止めることが出来なかった…

そして、私は知らない内に意識を失った…



…あれからどれくらいの月日がたったんだろう。
あれほどニュースや新聞で騒がれていたあの事故も、世間の人には忘れ去られていた。

目が覚めた私がいたのは、病院のベッドの上だった。
…やっぱりあれは夢だったんだ。
そう思い私は安心した。

…でもそれは、一瞬だけ。寝ている、私の周りにいたのは…


知ラナイ人タチ…

「あなた達、誰？」