「先生……、」 歩は先生の背中に腕を伸ばし、白衣をキュッと掴み抱き締め、胸に顔を埋めた。 「黒瀬は独りで抱え込み過ぎだよ。独りで我慢するな。これからはツラくなったら俺に相談しな?」 先生、ズルい。 そんなこと言われたら嬉しくなるに決まってるじゃん。 歩は何度も何度も頷いた。 何だか『ここに居ていいんだよ』って言ってくれてる気がして嬉しかった。