誰もいないと思っていた教室に来たのに…



「松雪…」


城戸くんがいた。



「どうしてここに…?」


いつもなら、すぐにバンドの練習に行っちゃうのに。



「…松雪が倒れたから。それで…」


城戸くんは頭をかいた。



もしかして心配してくれてたの…?



「ごめんね。心配かけちゃって…
もう大丈夫だから。音楽室、行こ」



そう言って教室を出ようとしたら…城戸くんに腕を掴まれた。



「城戸…くん?」