スカートから取り出したキラキラと輝くハート形のネックレスを首に付ける。
鏡を見つめながら、あたしは大きく頷いた。
このままじゃ楓との関係が終わっちゃう……。
そんなの絶対に嫌だから……。
だから、あたしは楓に自分の思いを正直に伝えるんだ。
怖くないと言ったら正直嘘になる。
だけど、今までの弱虫なあたしとは違うんだ。
……この思いは、誰にも負けない。
ドライヤーで髪を乾かすと、あたしは家を出た。
足がもつれても、ローファーが脱げそうなっても気にせずに無我夢中で走った。
走るたびにシャンプーの香りが鼻を撫でる。
学校の校門をくぐり抜けると、目の前から昨日の女の子達が団体で歩いていた。
その女の子達の横を通り抜けようとした時、バシッと強く腕を掴まれた。
「……アンタ、昨日言ったことわかってるんでしょうね?」
巻き髪の女の子に鋭い目で睨みつけられる。
「今度、王子に近づいたら許さないから」
女の子はあたしに冷たい声でそう言い放った。