「穂香、俺のTシャツでいい?」
爽がバスタオルと着替えそして、ホットココアを持って部屋に入ってきた。
「あっ、う、うん……」
ドキマギしながらも、そう答えると爽はガラスのテーブルにココアの入ったマグカップを置く。
ココアの甘い香りがあたしの鼻を撫でた。
「ほれ」
あたしの頭にポンッと、バスタオルを乗っけると爽はあたしの隣にドカッと座った。
瞬間、シトラスの香りがふわっと漂って再び、あたしの鼻をくすぐる。
「あ、ありがとう……」
ふわふわのバスタオルを手にかけて、雨でびしょ濡れになった髪を拭いた。
「脱がねぇの?」
「へぇっ?」
隣から発された言葉に、勢いよく顔を上げる。
爽はあたしを見つめて、ニヤリに笑った。
「脱がせてやろうか?」
「な、なななな……」
な、なに言ってんのよぉおおおおっ!
あたしは心の中で悲鳴を上げた。
バスタオルがバサッとカーペットに舞い落ちる。
すると爽はあたしをベッドに押し倒して意地悪に笑い、顔を近づけた。
鼻がぶつかって、唇と唇がくっついちゃいそうなくらい……。