これから起こる出来事に

何となく予想はついていた。



「…う…っ……」


なぜか無性に“彼”に会いたくなって

あたしはその場に座り込んで


ただただ、涙を流した。




……どのくらい泣いていただろうか。


どうやら、いつの間にか眠ってしまったらしい。


昨日、寝不足だったもんな……。


気づいた時には、校内に明かりがついていて。


窓から見える外は、真っ暗だった。


「あっ、もう帰らなきゃ……」


スッと起き上がった時、紙切れがヒラヒラと床に落ちた。


なんだろう……これ。


寝ぼけ眼でその紙切れを拾う。


そこには……

『なんかあったら、電話しろよ。爽』


爽の優しさが胸に染みた。


爽……

ありがとう。


心の中で爽にお礼を言って、あたしは非常階段を後にした。



学校の正門をくぐった時


「……あ」


小降りの雨が降ってきた。


あっ、天気予報で今日は夜から雨だって言ってたっけ。


傘持ってくるの忘れちゃったし、急ごう。


あたしは早歩きで家までの道を急いだ。