「バラの花って“美しい女性”とか“永遠の愛”って意味があるんです」
悔しいけど、愛チャンにぴったりの花だ。
「あたし、バラが大好きなんですよ」
そう言って、あたしに左手を見せた。
「キレイでしょう?」
そこには、バラのついたネイルがあしらわれていて。
「うん……」
あたしは素直にそう思った。
すると、愛チャンはニヤリと妖しい笑みを浮かべた。
「でも、気をつけてくださいね? バラにはトゲがあるんですから」
バラにはトゲがある……。
そんな当たり前のことをどうしてあたしに言うんだろう。
「……それが、どうかしたの?」
「バラの種類によっては猛毒を持っているバラもあるんですよ」
……猛毒を持っているバラ?
そんなのあったんだ……。
「それは……紫色のバラに多くあるんです」
そして今度は、さっき見せた方とは違う右手をあたしに見せた。
すると、そこには……