――放課後。
重い気持ちであたしが向かった場所は非常階段。
実はあの後、愛チャンに呼び出されたんだ。
――『放課後、非常階段に来てください』
そう言って、意味ありげに笑うと教室から出て行った。
……悪魔だ、悪魔としか言いようがない。
夢なら早く覚めて欲しいと本気で願った。
そんなことを考えていたら、あっという間に非常階段についてしまった。
はぁあああああ……。
もお、ため息しか出てこないよぉおおおお……
バクバクと鳴り止まない心臓を抑えながら、非常階段で愛チャンを待っていると
「……お待たせしました」
当の本人が現れた。
「う、うん」
ヤバい。
緊張して動けない……。
次にくる愛チャンの言葉を待っていると愛チャンは予想外な言葉を口にした。
「バラの花、知ってますよね?」
「………えっ?」
ば、バラの花?
どうして、いきなりそんなこと……