次の日の目覚めは最悪だった。


結局、楓はいつになっても帰って来なくて。


あたしも一晩中、眠れなかった。


“アイツはやめとけ”


その言葉がずっと頭から離れなかったから。


「はぁ……」


学校行きたくないなぁ……。


でも、行かなくちゃ。


いつもより重い体を起こして、あたしは支度を始めた。


「お、王子が出て行ったぁ!?」


あーちゃんは飲んでいた牛乳を思いきり吹き出した。


今はランチタイム。


そしてあーちゃんに昨日の出来事を全て話したところだ。


「ちょ、ちょっとっ!
声大きいよっ!」


「ごめんごめんっ」


ハンカチで口を拭いたあーちゃんは、突然真面目な顔になった。


「……あたし、あの女よりも、爽って言う男の方が気になるのよねぇ」


えっ、爽のこと?

なんで爽なんだろう……。


あたしは爽より愛チャンの方がずっと気になるけど……。