「断ったんでしょ? 今井さん、泣いてたよ。」

「…俺だって 泣かせるつもりじゃなかったけど…仕方ないじゃん。」

まるで泣かせた先生を責めてるような言い方に、先生もオドオド。

「やっぱり、先生と生徒じゃ…ダメ…なの?」

「え?」

先生を見つめると、
先生と目が合った。

私は、目を逸らさずに言った。
「先生からしたら、みんなただの生徒?」

もう自分でも ワケ分からない。でも、制御出来なくて。

「私も、今井さんと同じ? じゃあ、この想いはどこにぶつければいいの?叶わないなら、諦めなきゃいけない?」

ダメ。完全にコレは
告白になってる……。

でも、今言わなきゃダメだって気がした。
どうせ いつまでも抱え込まなきゃいけなくなるぐらいなら。
少しぐらい スッキリするのかもしれない。


「立花……?」

いつの間にか、涙が出てた。
止まらなかった。
先生が眉毛を下げて 困った顔をしてる。


「困らせてごめんね…でも、私……やっぱり………先生が好き………。」

言った。
言ってしまったんだ。

先生が目を丸くして
驚いている。


もう、元には戻れなくなった。


きっと、今日で補習も
何もかも おしまい。



気づいたら、


私は進路指導室を飛び出ていた。


「おい、立花!!」


先生の声が聞こえる。


でも、もう―……




私は、振り向くことなく
ただただ 走り続けた。