ブブブブ……

進路指導室まで あと少し、って時に 私の携帯が鳴る。

晴香からの電話。


何となく、何のことかは
予想はついていた。


私は、近くのトイレに入って電話に出る。

「はい。」

『あっ、未来!! 今大丈夫!?』

「うん、平気。」

『今ね、今井さんが教室で泣いてたんだけど…』

「うん…私もさっき見た。」

『気になったから、話聞いたんだ。』


「えっ……」

気になる。先生が、今井さんに何て返事したのか…。


「……それで、何て?」

『うん…、やっぱり断られたみたい。お前はやっぱり俺にとっては大事な生徒だから、って。だからそれ以上には思えないけど、気持ちはすごく嬉しい。ありがとうって 言われたって…』


「そっか……。」


複雑な気持ちだった。
先生が断ったのは安心した。
だけど、私だって今井さんと同じ『生徒』なんだもん……


立場は同じなんだよね……