「んー…。」

先生がモゾモゾと
動く。

私は 慌てて ページをめくる。

でも、先生は起きなかった。


このまま寝顔を見とくのも
悪くはないんだけど、

つまらないなぁ~。


試しに、先生の腕を
ツンツンしてみる。


……起きない。


「……先生?」
呼んでみる。


……起きない。



先生の頭に触れてみた。


可愛すぎて、
思わず頭を撫で回す。


ガシッ

「ひゃっ!?」


いきなり、
寝ているはずの先生に
手首を掴まれた。


「寝込みを襲うなっつーの。」

先生が そう言って
顔を上げた。


「……なっ………。」



……否定は出来ませんでした…。


「お前 今日もまた遅かったなぁ~。おかげで気持ち良く俺は寝れたんだけどもね?」

先生が 頭をわしゃわしゃと
掻いて、大きく伸びをした。


「終礼が長引いちゃって。ごめんなさい。」

1人で 私を待っててくれたと思うと、可愛くて思わず笑みがこぼれる。

「お、笑ったなぁ!」

「え?」

キョトンとする私に、
先生は少し眉を下げて言う。


「お前 今日 元気なかっただろぉ? せっかく当てようと思ったのに、いつもと違うから心配したんだぞ。どうかしたのか?」

えっ…
私のこと、心配してくれたの?ちゃんと見ててくれたんだ。

嬉しさでジーンときた。


いつものおちゃらけた感じとは違う、真剣な瞳で見つめられる。

ドキッ…。


そのたまに見せる真剣な顔も
カッコイイんだよなぁ……


きっと今、私 顔赤いと思う…


「心配かけてごめんなさい…でも、何にも……」

そう言いかけると、
いきなり ふわっと風が来て、


目の前が少し暗くなった。


「赤いけど、熱でもあんのかぁ?」

先生が、私のおでこに
手を添えてたんだ。



う、わぁ……

先生の手が、
直に触れてる…。