どん底の気分のまま、

今日の授業は全部終わってしまった。


これから大好きな先生と補習だと言うのに、不安な気持ちは消えないまま。


重い足取りで
4階の進路指導室へと行き、
中へ入る。


(あ……)


向かい合わせになった机の
片方で、


私の大好きな先生は寝ていた。

今日の 終礼は長引いたから、
待ちくたびれたのかな。


私は向かいの席に座り、
先生の寝顔を見つめる。



可愛い……


胸がキュンとする。

本当に幸せそうな寝顔。


触れたい、って思って
机に突っ伏している
先生の顔に手を伸ばす。


……


や、やっぱダメだよ!!


お、起こしちゃ悪いしっ
触れる勇気も、出て来ない。


ただ、先生の寝顔見てたら、
気持ちがほぐれてきて、
自然に笑みがこぼれた。


「先生が起きるまで、問題でもやっとこうかなぁ。」


静かにノートを開いて、
1人で 昨日の復習をする私。

でも……


聞こえてくる先生の寝息、
無防備な先生の寝顔。


集中なんて出来たもんじゃない。


好き好き、大好き……


溢れ出る想いを
どこに吐き捨てればいいだろう


私は、
ノートの片隅にそっと書き記した。


『先生、ダイスキ。』