「まぁお前がしたいって言うなら、空いてる日ならいつでも俺は教えてやるけど?」
先生の言葉に 身を乗り出す私。
「ホント…!?」

「おう。」
ニカッと笑ってくれた。
良かった…
すごくホッとした。
私が数学が出来るようになっても、補習してくれるんだ。


ありがと、先生…

私が今一番大切な時間は、
これからも無くならないんだね。


「ま、先のことなんて考えないで今目の前のことからちゃんとやり遂げましょー。」

わざとらしく敬語を使って、
私のノートの解きかけの問題を指さす先生。
考えすぎるな、と言ってるみたいに聞こえる。


「…はい。」
先生に言われ、ようやく私も
集中して問題をまた解き始めた。


先生は、その間
色々な話をして私を笑わせてくれた。

私が少しだけ元気ないのに、気づいてくれたんだ。

私が元気になるように。
くだらない冗談を言って笑わせてくれる、先生の優しさ。


私は大好きだよ。



補習が終わると、
進路指導室に鍵をかけて、
先生は言った。


「…明日もやるからな!ちゃんと元気出して来いよ?」

補習がいつまであるのかを気にしていた私に対する気遣いかな。“明日も”って言葉。

ちゃんとやるから安心しろって。きっとそういう意味なんだよね。

「ありがとうございます。よろしくお願いします。」

そして2人で笑った。

やっぱり先生がいると
元気が出る。

ホントに不思議だなぁ。



ありがと、先生。