「うわっ、腕硬ーい!!」
先生の二の腕は、思ってたより筋肉質で、硬かった。


「だろ?これでもちゃんと鍛えてるんだぞ。」

嬉しそうな先生。
カッコイイ…。
私は先生の二の腕をペシペシとまた触った。

「人間、年取るにつれて体も鈍るからな。やっぱり鍛えとかないと!」

「私も鍛えてみようかな。」
私が何気なく言うと、
ブッと先生が吹き出した。

「やめとけぇ。お前がマッチョ?あはは、女はそのままでいーの!」
マッチョな私を想像して、
笑いながらそう言う。

「先生もそう思うの?」
このままの私でいいと思う?って意味を込めて聞いてみると、
「うん。お前は今のままで充分だと思うけどな?」
と優しく微笑んでくれた。

すごくドキドキした。
だって、何かこのセリフ、
恋人同士みたい……。


「そ、そーゆーの!! サラッと言っちゃダメなんだよっ!!?」

さすがに恥ずかしすぎて、
先生をバシッとまた叩く。
顔が熱い。嬉しいけど恥ずかしいぃぃ……!!


「何赤くなってんだよー!! そんな照れちゃってー♪」
先生にからかわれた。
そんなの、照れるに決まってるじゃん…。
アレ、それとも私が先生のこと好きだから?

……だとしたら、私変に思われちゃった?


「もー、先生の馬鹿ぁっ!!」
余計に恥ずかしくなっちゃって俯くしかない私。
こんな赤くなってたら、先生にバレちゃうじゃん…。


「あはは、真っ赤!」
先生が、私のほっぺをつねった。

「……!!」
もう恥ずかしすぎる。
ホントに顔が熱い。
先生にも絶対伝わっちゃってるよ…。

そろーっと顔を上げる。

先生はまだ笑ってる。


どうしてこんな、
ドキドキさせるの?

なのにどうして先生は
そんな平気そうなの?


じゃあ先生は、どんな時に
ドキドキするの?


きゅううっと
胸が切なくなったんだ。