コツン、と教卓におでこをぶつけ、そのまま睡眠モードに突入のようだ。
多分、ワークをやらせるなんて言ってるけど、それ以上に自分が休みたかったんだろうなぁ。
私の席から、少しだけ
先生の寝顔が見えた。
本当に一部分しか見えないけど、すごく可愛かった。
最近 先生も色々と疲れてるんだろうな、なんて思いながら 私も同じように机に突っ伏してみると、いつの間にか眠っていた。
眠るっていうか、
意識がなくなる感じ。
実は最近風邪気味で、
朝 薬を飲んで来たんだけど、
それの作用かな。
薬って 眠くなるやつあるから…。
まぁとにかく、
私は深い眠りについたようで、2時間目が終わったことにも気づかずに、
起きた時には3時間目が始まる時間だった。
相当 寝てたみたい…。
せっかくの数学の授業を
半分以上寝てたなんて、すごいもったいないことしたなぁ…。
「よく寝たもんだね。」
3時間目が終わってから、
晴香が私の席にやってきた。
「あはは……。」
苦笑いするしかない私。
相当目立っちゃったかなぁ…。
「アンタ、みんなが終わりの挨拶する中1人だけ爆睡してたよ。」
笑いながら またまた図星を突く晴香。
うー、やっぱ目立ってたんだぁ…。
恥ずかしい……!!
「あ、でもね……」
晴香が私に耳打ちをした。
「……………え!!?」
顔が赤くなってるのが分かる。
嬉しい……
晴香いわく、
2時間目の終了の挨拶をする時、私がまだ寝てることに気づいた隣の席の子が、私を起こそうとしたけど全然起きなかったんらしく…。
そしたら、それを見た先生が、「あー、いいよいいよ。そのままにしといてやって。」
って、人差し指を顔の前にやって、シー、ってやりながら言ってくれたんだって。
それで、クラスの子も
気を遣ってくれて、すごい静かな声で、みんなで終了の挨拶をしたんだって。
クラスのみんなの気遣いも、
もちろん先生の気遣いも
すごく嬉しくて、
何かジーンときた。
普通の先生なら、寝てる人を見つけたら、起こすか、怒るか、保健室に行けって言うのに。
やっぱり先生は優しい。
やっぱり大好き。