ドスンッ

「きゃっ!?」

「おっ、わりぃ!!」


軽く誰かとぶつかった。
見上げると……

「あ、立花ぁ!! おはよ。」


大好きな先生だった。


「お、おはようございます…」

まさかの 鉢合わせ!!
おまけに ぶつかっちゃった!!


まさかの展開に
胸が躍る。朝から話せるなんて幸せ……


「ごめんな。痛かった?」
私を心配してくれる 優しい先生。

「いえ、大丈夫です。私もごめんなさい。」

それを聞いて安心したのか、
「なら良かった。じゃ、今日も頑張れよ!!」

と 私の肩をポンポンと叩き、
向こうへ行ってしまった。


私は数十秒間、
遠のいていく先生の背中を見つめていた。


ああ、何て幸せな朝なんだろう。


週番なんて 嫌だったけど、
今日からは一週間、
楽しめそうだよ。

朝から 先生を見れるんだもんね。




ニヤニヤしながら
教室に戻ってきた私に、
晴香が聞く。

「なぁにー? 一之瀬にでもバッタリ出会った?」

相変わらず、人の図星を突いてくるのが得意なようだ。

こくんと頷く私。
可愛い奴め、と晴香は私の頭を撫で回した。


「明日から、毎朝私が日誌と出席簿取りに行く!」
手を挙げてそう言うと、

「はいはい、お願いします。」と、晴香がからかうように笑う。私も笑顔になる。


もう出来るなら、
他の係が週番であっても
日誌と出席簿だけは
毎日私が取りに行ってあげたい。


私に、今週一週間の
毎朝の楽しみが増えた。