次の授業では、
さすがに先生は中庭に
現れなかったけど、
隣のクラスから
先生の大きな声が聞こえてきた。
隣のクラスは数学なんだね。
先生の、必死に教えるがあまりに上ずる声が聞こえる。
先生は、いつも一生懸命に
生徒が分かりやすいように
教えてくれるんだ。
分からない生徒が1人でもいれば、その子の為に 分かるまで何度も説明してあげるんだ。
先生から 何度も教えてもらってる子を見てると、羨ましくも思った。
でも、私はこれから毎日
先生と2人っきりで補習だもん。
何だか、特別な気がして
改めて嬉しくなった。
隣から聞こえる先生の声。
あー、また授業に集中出来ないや。
先生の姿なら一瞬で見つけられるし、先生の声なら一瞬で聞き分けられる。
目が勝手に先生を追いかけるし、耳が勝手に先生の声を取り込もうとする。
結局また まともに授業も受けられず…
私のノートに
空白のページが増えていく。