そして、補習はスタートしたんだけど……
「先生、ココはどうやるの?」
「ん?ココはなぁ……、」
教えようとする度に
先生の顔が近づいてくる。
ダメだぁぁ
集中出来るワケないよー!!
「分かったぁ?」
「ごめんなさい、聞いてなかったです。」
「……お前ーっ!!」
先生に 頭をグリグリされる。
痛いけど、やめて欲しくないなぁ……なんて。
こんなにも
先生と触れ合うことが出来るなんて、夢みたい…
「痛いよー、暴力反対っ!!」
そう言って
先生の手首を掴んでみる。
さりげなく、さりげなくね。
女の子とは違う、
筋肉質でちょっと硬めの腕に
私はまた ドキドキした―…。
「お前、これからも毎日補習にするからなぁぁーっ。」
「本当!!?」
思わず 喜んで、
先生も びっくりしてるみたい。
「私1人だけ、数学マスター出来るんだね、100点も夢じゃないかもー!!」
慌てて つけ足すと、
先生が そういうことか、と微笑む。
「お前、心配だからなぁー。これから毎日 俺がみっちり教えてやる。」
得意げに腕組みなんかして。
お願いしますって、
私は笑った。
それから30分ぐらいかな、
先生に隅から隅まで教えてもらった。
よくよく見ると、私 先生に夢中すぎて 授業まともに聞けてないなぁ……。
先生も、
「お前、授業中一体何を聞いてんの!?」って びっくりしてた。
そりゃ、先生に夢中でした…
言えたもんなら
どんなにいいことか……。
だんだん日が暮れてきて
今日の補習は終わった。
「明日は 教室で何かやるらしいから、4階の進路指導室でやるからなぁー。気をつけて帰れよ。」
先生はそう言って、
とびきりの笑顔を私にくれた。私が教室を出て 階段を下りるまで 見守ってくれた。
先生……、
私 今日で また倍以上も
先生を好きになったよ……。
先生、大好き。