そして放課後。

本当に、補習なんてするのかなぁ…

先生のことだから、
冗談だったのかも……。


1人 教室に残りながら、
席に座って 窓の外を見る。


あ、そうだ。


先生はいつも
窓の外から 何を眺めてるんだろう?


私は、席を離れて、
授業中に先生が よく外を眺めている位置へ来ると、

先生と同じようにして
窓から外を覗き込む。


見えるのは
花壇とか、中庭とか、校庭とか。


見たって 特に面白くもないようなものばかりで。



「あれ……?」

後ろから 聞き覚えのある声が聞こえて、すぐさま振り返る。

声の主は、私の大好きな
一之瀬先生……!!


嘘ぉ……!!

本当に来たっ!!



「お前、本当に残ってたのかぁ!?」

先生は、嬉しそうな笑みを浮かべて 私に近づいてくる。


「居残りって言ったの、先生じゃん…!!」

私もつられて笑顔に。
本当のこと言うと、ニヤけてたかも。


「本当に残ってくれるなんて思ってなかったからなぁー!! 嬉しいよ。偉い偉い!!」


先生はそう言って



私の頭をポンポンって……


先生が、私に触れたんだ……



先生の大きな手の温もり、
頭に伝わってきて
恥ずかしさと嬉しさで
顔がみるみる熱くなる。