私なんかした?



無理矢理私の手首を掴んだ翔は、何処かへ私を引っ張っていく。



「ちょっと・・・痛い!」



「黙れ」



「は?なんで怒ってんの?」



連れてこられたトイレの洗面台で、翔は荒々しく蛇口を捻って水をだす。




「冷た!」



そして私の頬を水で強く擦る。



何度も



何度も。



「ったくお前は・・・隙がありすぎなんだよ」



「え!?私のせい!?」



擦り終わると、服の裾で私の顔を拭いてくれた翔は大きなため息をつく。