雨が降っている窓の外を、ボーっと眺める。 ジメジメした天気と噂のせいで、私のテンションは随分と下がっていた。 本当に翔には好きな人がいるのだろうか? 「亜緒」 ふと呼ばれて振り返ると、 「来い」 翔がソファに座って私を呼んでいた。 またまた俺様かい。 どんだけ上から目線なんだよ。 「へ?なんで?」 雨の音しか聞こえないのは、私と翔しかいないから。 良平は今ここにいない。