そして聞くまでもなく語り出すお母さん



「お母さんはね……お母さんの初恋の相手はね……義理のお兄ちゃんだったの!

もちろん叶わなかったわ。

……兄妹だからよ。今は今で幸せだけど、あんな思いはもうたくさん。



お願い。お母さんの代わりに、結ばれてちょうだい」


「でも、お母さん……あたしたちは…」


「姉弟?でも、普通の姉弟ではないでしょう?――…真夜、あなたは………あ、お父さんだわ」







お母さんが結論を言う間際、
鍵を開ける音が聞こえた




――…お父さんが、帰ってきた