「唯月……血、出てる……」 さっき裕也に殴られたところが切れて 血が滲んでいる 体中の血が騒ぎ出す 考えるよりも先に 体が動いていた 「んっな、なにっ?姉ちゃんっ?」 口の端を舐めるあたしから 唯月はくすぐったそうに 顔を背けようとする 口の中に薄く広がる血の味…… 相変わらず上質だ