しかし翌日、すぐに彼女は見つかった。

「1年生のみなさん、はじめまして。わたしは図書委員の副委員長です」

入った図書委員の、副委員長だった。

彼女は明るく、ハキハキとした人だった。

昨日見た時は、とても儚げに見えたんだけど。

そして委員会が終わって、彼女が1人になるのを見計らってオレは声をかけた。

「副委員長」

「はい?」

「昨日、桜の山でお会いしましたよね?」

「桜の山?」

キョトンと、可愛らしく首を傾げるも、その口元は微妙に歪んでいる。

「…もしかして、委員会をサボッて行ってたとか?」

「ぎくっ★」

自白してるし。

「みっみんなには内緒にしてくれると、嬉しいな」

「副委員長がデートしてくれるなら」

すると今度は本当にキョトンとしてしまった。

「えっと…」

「一目惚れです。オレと付き合ってもらえませんか?」

「えっ…ええっ!?」

白い彼女の肌が、桜色に染まる。

キレイな人だな、と素直に思った。

「誰か他に好きな人とか、恋人とかいるんですか?」

「いっいないけど…急ね」

「モタモタして、取られるのはイヤですから」

「んっ…。まあその考えは理解できるけど」

頬にかかる黒髪を上げる仕種。

指が細くて長い。

ツメも桜の花びらみたいに、キレイだ。

―キレイな人だ。