部屋の中央まで歩いた時、ギュッと後ろから抱きしめられた。



ドキドキが止まらない…。



「寝せる気もねぇし、ムダな話しする気もねぇから」

「お、お風呂っ…」

「アレに入んのか?」

「他にあるならそっちがいい…」

「せっかくだ。入ろうか」



あたしを離した斗和が部屋の隅にあったお風呂にお湯を溜め始めた。



あたしは持ってたバッグをソファーに置き、巻いてたストールを外す。



「おいで」



斗和にそう言われて近づくと、見事なほどにキラキラの夜景が見えた。



壁にもたれる斗和が優しい顔で笑ってる…。



だけどあたしの目は夜景に…。



「キレー…」

「好きそうだと思った」

「来たことあるの?」

「ムダな話しはしねぇって言っただろ」



だからお風呂っ!!



そう言いたかったのに、斗和に腕を引かれてすっぽり腕の中…。



「待ちきれねぇ…」

「ちょっ…」

「浮気しねぇで待ってたんだ。触りたくて…死ぬかと思った…」



もういい。



斗和の好きにしてくれていい。



あたしを…溶かして?