それからもしばらく陽菜ん家には行けなかった。



店がオープン間近の時、廊下で陽菜を口説き中の泉発見…。



わざとらしくぶつかった。



「いてぇんだけど」

「あぁ、わりぃ。泉の影が薄くて目に入んなかった」

「相変わらずムカつくな、斗和って」

「お互い様だろ」



俺、なにやっちゃってんのかねぇ~…。



イラッとしたんだろうな…。



「や、やめなよ!!ケンカはダメです!!」

「あっ、先生のことさっき羽賀先生が探してた。音楽の補習がなんとかって」

「えっ!?羽賀先生!?ヤバッ!!行かなきゃ!!」



よし、逃げろ陽菜。



あとは任せろ。



「ムカつく顔してんじゃねぇよ斗和」

「俺はお前の顔の方がムカつくけどな」

「やんのかコラ」

「退学になりたいならどうぞお好きに」

「親頼みか?情けねぇヤツ」

「ここじゃマズイだろって言ってんだよハゲ」



人目につかない場所でやろうじゃないか。



俺だっていろいろ溜まってんだ。