その場をすぐ立ち去りたい気分になった。でも、体が動かない。

やっぱり私、あの子の事好きなのかな。

彼女はあの子のこと、名前で呼んでるのかな。

私は呼ぶ名前も知らないのに。

交差点で二人は別れ、あの子は横断歩道を走っていった。いつもと違う方向。

追いかけたい。

席を立ちかけたその時、私がいるファーストフードの店内に、彼女が入ってきた。


「おはようございまーす!!」彼女はにこやかに、スタッフに挨拶をし、奥に消えていった。

どうやらここでバイトをしているらしい。

レジに立つ彼女。私は席を立つ。