「1週間、一緒にいても、
恋愛対象になれなかった時は諦める。」



1週間で人の気持ちなんて
変わるわけねぇのに。


「何言ってんの?アホか。」



気づけばそう口にしていた。

泣きそうな女が目の前にいて
俺の言葉を待ってても


優しい言葉なんて
1つもかけらんねぇ。



「あ、あはは…、じ、冗談だってば!
……また明日。」




そんな俺の態度に
見たことねぇくらい
頑張って笑って

背中を見せて
歩きだす立崎菜々に



「1週間、やるよ。

それで本当に諦めんなら。」


気づけば
俺はそう告げていた。