たくさんの人に囲まれてたはずの
柊くんが気付けば目の前にいて


「具合悪いのか?
ったく、保健室行くぞ。」


そう言ってあたしの手を掴んで
体育館の入り口へと歩きだした


ドキドキ、ドキドキ
心臓が身体中にあるみたい。

掴まれたところが
熱くて、だけどなぜか
落ち着いてしまう。



あーあ、
変な心配かけちゃった…


でも心配してくれるとか
嬉しすぎて涙が


この期に及んで涙まで流すか自分?
これじゃ、ただのめんどくさい女じゃん。


『…うぅ〜…柊…くん』



「んだよ?泣くほど痛いのか?」


『違…くて、』




ばーか。
泣くほど嬉しいんだよ。