しかし、その長い、長い沈黙も、随分と遅い、ケイの優子の独りごとに対する返答によって打ち破られた。
「…本当は、そう思ってないんでしょ?」
「!?」
「少なくとも、今まで出会って来た女の子で、心の底からそう思っている子は、いなかった。」
そのケイの言葉を受けた優子は、なぜかしら急にむかっとして、ベンチから勢いよく立ち上がってヒステリック気味に叫んだ。
「何であんたに分かる訳?人の心の中が!例外だっているかもしれないじゃない!」
「例外は無いよ。僕には分かる。」
「あら、すごいのねあなたって!まるで神様みたい!今すぐ証明して見せてよ!!」
自分自身でも、下らない事を言っているんだと、頭の片隅で優子は自覚していた。しかし鬱屈した気持ちが、何らかの刺激を受けた時はこういう物なのだろうか、一度高揚した気持ちは、止める事が出来なかった。