…ベッドやタンス以外には、特に生活感を感じさせる様な物は見あたらない。他は最低限、窓にはカーテン、床にはカーペットが敷かれているぐらいか。女の子の部屋にしては、あまりにも色気のない、飾り気のない真琴の部屋。
その代わりに、この部屋には妙な物が飾られていた。それも、一つや二つではなく、数え切れない程に…


－照る照る…ぼう…ず？でも、何か少し妙な感じがする…－


真琴のマンションに連れてこられたその少年は、不思議そうにそれらを眺めていた。
その時、玄関の扉をコンコンとノックする音が聞こえた。その少年はそれを聞いて、急いで玄関までかけて行き、玄関の扉をガチャリと開いた。外には、右手に例の雨傘、左手にはジュースやお菓子などが入った袋をさげた真琴が立っていた。
「ありがとう。ふうっ…それにしても、よく降るわねえ。さすがにこんな日は、買い出しが面倒ね。」
「冷蔵庫、買えばいいのに…」
「う～ん、買いに行くのがまた面倒なのよね。」
「…」