「あれ?ウチ一体…」
その時ふと麗華は、自分の周りに、不思議な物体が漂っている事に気がついた。どこかで見た事のある、その物体。しばらくして、麗華ははっとした。


―これは、薄黄緑色に輝く音符!…それに、ウチの立っとる所から、あの光に向かって延びとるのは…―


それはまた、先程の音符の様に、薄黄緑色に輝く、楽譜の絨毯であった。
「何て、きれいなんや…」
麗華が、その様子に目を奪われている時、突然、麗華の頭上からケイの声が響き渡った。
「麗華さんの初恋が、いつかきっと、美しい音色として、これからの麗華さんの人生の道標(みちしるべ)となります様に…」
「!?ケイ君か?そうか、ケイ君が…」


「…ケイ君、おおきに!ウチ、分かる、解るで!きっとあの先に通じとるのは、学校の…」
そう言って麗華は、そのトンネルの出口に向かって駆け出した…