それからというもの、桐生くんが気になって仕方がなかった。
ある日、バイト中に桐生くんが気になって柱に頭をぶつけた。
「っ――…たぁ」
そしたら桐生くんが
「伊咲さん、大丈夫?頭打った?」
とすぐにあたしのとこに来てくれた。
「あはは。恥ずかし…。でも大丈夫だよ」
その時はそう言ったけど内心、心臓バクバクだった。
「そっか…」
おでこも痛かったけど 離れてく桐生くんを見ていると胸の奥も痛かった。
15才相手にあたしはなにをしているんだろうか。
一人でドキドキして、
一人で苦しくなって、
初恋って……
こんなに苦しいんだって気付かされた。