顔が赤くなっていくのが分かる。
みるみる体温が上がっていく。
「あは。伊咲さん、照れすぎ」
あたしの反応を見て、満足そうに笑った桐生くん。
「だ、だって―…。大切な人 なんて言われたら…こうなる…って、普通」
ハンパないくらい恥ずかしい。
年下の子に、桐生くんにこんなにもドキドキするなんて。
「俺、まじで伊咲さんのこと好きだもん」
食器を洗い終わり、制服で乱暴に拭いた手で頭をくしゃくしゃにされた。
……あれ??
あたし、好きになる気持ちなんて分からないんじゃなかったけ?
なんでこんなにも
心の奥があったかいんだろう。