「早く行きなよ、オバチャンっ」



桐生くんは満面の作り笑顔であたしに手を振った。






「なっ!!?後で覚えておきなさいよっ!!」







***



「なんで俺が手伝わなきゃいけない訳?」




結局、桐生くんは閉店までいたから片付けを手伝ってもらった。



「桐生くんがオバチャンって言ったから……。でも、ごめんね」


食器を洗いながら桐生くんに謝る。




「…いいよ、別に。俺も悪かったし」




文句を言いながらも手伝ってくれる桐生くんは優しいと思う。




だから モテるのかなぁなんてね?