次に気づいた時には
保健室は静かになってた。


「あれ...あたしまた...ん?」


起き上がると布団の上に
一枚のブレザーが
あたしをかぶせるように
置いてあった。

「誰のだろ...?」




首もとのネームを見る。




ヒ..カリ..ワ.タ...ベ?



聞いた事のある名前。

でも顔が思い出せなくて
ずっとベッドから動けなく
なっていた。



ガラガラ...

保健室のドアが開いた。


「あの~...それっ...」

「えっ?あっ!これ..」

「うん、それ!俺の!」



「あ、はい。」




知らない人だし
関わりたくないから
なるべくそっけない態度で
そのブレザーを渡した。